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体験談・コラム

迷うほど、人は強くなる。

迷うほど、人は強くなる。

迷うほど、人は強くなる。

君は旅に出て、道に迷ったことはあるかな? 僕はこの春、パリで迷った。東京でもよく迷うけどパリは初めての街。しかも時間は真夜中12時すぎ。貸し自転車で15分で行けるホテルへの道を1時間半迷いつづけた。真夜中のパリの路地に入り、大きな通りを何度も行き来して、言葉の通じないおまわりさんにも道を尋ねた。けれど要領を得ない道案内に、また路地に入り、大通りを行き来した。同じ道に出た時は、地図が読めない自分を恨めしく思った。そしてたまたま夕方ホテルから出発した時に見かけた「オサリバン」というパブを発見した。「確か右から来たよな~。ほんならここを曲がっていけばいいのか?」と、自転車をこぐ。するとやっとホテルのネオン管が見えた。夜中2時。辿りついた時は、情けなさと嬉しさと疲れで、複雑な気分だった。イラストはその時のルート。オレンジ色が僕のルートだと思って、みてね。いかに無駄があり、迷っていたか。

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君は今、人生の迷い道にいるのではないだろうか?学校を卒業して就職活動はしたのだろうか?就職はしてみたのだろうか?なにか夢があってそれを追いかけていたのだろうか?それともそもそもどこに行きたいのかが、わからなかったのだろうか?そして、今も迷っているのだろうか?

パリの迷子もそうだけど、人生の迷子もまたいい経験。だって僕はこうしてパリの夜中のことを笑いながら書けるし、自分が人生の迷子になったことも告白できる。

35歳。僕は人生で途方に暮れていた。大学を卒業して出版社に就職し、34歳の時に転職した。別の出版社へ引き抜きである。意気揚揚と通う新しい出版社で、半年も経たぬうちに、僕は4つの苦しみに立ち往生していた。(1)営業部長なのに責任ある数字をあげられない(2)編集長と人間関係がうまくいかないで、怒鳴られてばかり(3)経営方針と僕の営業戦略がかみ合わない(4)ヨメサンが病気になり、発作の度に家に帰らねばならない。


ある日、僕は大阪の淀川を見つめている自分を発見した。どうしてそこに辿りついたのか記憶がない。なぜ川を見つめているのかも見当がつかない。その時、僕は心理的に相当なダメージを受けていたのだと思う。それに気づいた瞬間に近くにあった文房具屋さんに入り、便箋と封筒を買い、ドトールで退職願を書いて社長に持っていった。次の転職先を探すことも独立することもなにも考えずに、そこから逃げたのだ。恥ずかしさと小さなプライドで自分を責めつづけ、その会社も恨んでいた。「こんなはずじゃなかった」「なんで僕がこんな目にあうのだ」とね。

なのに今、僕はキャリア ソリューショニストとして1997年から仕事をし続けている。この仕事で出会ってきた学生や社会人は皆、僕の大切な仲間であり、僕のプライドである。彼らが学校を卒業しても、転職しても、結婚しても、ずっと付き合い続けている仲間である。天職に巡り合えたと喜んで仕事をしている。

35歳で道に迷ったからこそ、今の僕があり、道に迷っている仲間の応援ができる。絶対に同情はしないが、共感して、その先のキャリアを一緒に考えることができるようになれた。もしピンクのような直線で目的地に辿りついていたら、もし青い線のように大通りをなんの曇りも狂いもなく歩いていたら、きっと仲間とは浅い関係にしかならなかっただろう。こうして既卒Naviにコラムを書くことも、ポンタキャリアカレッジを主宰することもなかっただろう。

だからもし君が今、道に迷っているのであれば僕は言いたい。「オメデトウ!ヨカッタヤ~ン!"迷えた"んやから」ってね。その複雑な道は、自分の弱さを知り、社会の厳しさや冷たさも知ることができた茨の道。不条理なことも、逃げ出したことも、孤立したことも、がっかりしたことも、そのすべての経験が、誰でもなく自分が出会うことができた事実である。道に迷う人ほど、強くなれるのである。そしてそれを経験したのであれば、これからそれを使うこともできれば、捨てることもできる。泣きながら歩くこともできれば、笑って歩いていくこともできる。恨んで立ちすくむこともできれば、それをエンジンにして走ることもできる。これらはすべて迷った者だけが持てる選択肢である。

さあー、君はこれからどの道を選ぶ?ピンク、青、オレンジ以外にも緑の道も赤い道もあるよ。道は決して一本ではないのだ。僕も1時間半、夜のパリの街並みを発見しつづけたのだ。だから次回は迷うことがないのだ。(そう思ってエンジンをかけよう)

もう一つ忘れないでほしいことがある。この既卒Naviを主宰している松田剛典氏もまた"迷えた"一人。つまり君はすでに一人ではなくなったということを。共感し、一緒に考えて前進できる仲間がいるということを。"迷えた"経験があることと、仲間がいることを「強い」というのだよ。

ほな、ぼちぼちいこか~♪

ポンタキャリアカレッジ主宰
http://www.ponta.co.jp/career/
キャリア ソリューショニスト 本田勝裕