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体験談・コラム

内定後の早期退職リスクについて

内定後の早期退職リスクについて


前回の記事から3ヵ月経ちました。既卒者カフェはまだまだ続いています。
また、滋賀、神戸、神奈川、沖縄と各地で続々と支部が立ち上がっており、既卒者が集まれる場所のニーズを日々感じています。
ちなみに、僕はこの記事を書いている10月25日現在でも求職中です。

今回は、既卒者たちの話を聞いている中で非常に問題だと思っている『内定後の早期退職リスク』について、話を進めていこうと思います。

『内定後の早期退職リスク』とは?

私が直接話を聞いたものに限定すると「内定後の早期退職リスク」には以下の様な例があります。

1:若者雇用関係の助成金目当ての企業であり、正規雇用をさせるつもりがない場合。
2:就業前に確認した雇用条件とあまりにもかけ離れた条件である場合。
3:就業後、業務に支障が生じる程の社内の雰囲気の悪さを感じ取った場合。

これらはインターネット上でも見かける話ですが、実際に当事者に出会い、目の前の人が苦しんでいた状況を聞くとなんとも言えない悲しい気持ちになります。働きたくない人が出るのも当然ですよね。
※骨休めに上記3つについてのレポートを書いているという旨をTwitterでつぶやいたところ、『2と3に該当して2ヶ月で辞めました。』、『僕の場合は3ですね。』、『全部に該当している...』というリプライが30分以内に返ってきました。

3つの例を具体的な事例と共に

Sさん(男性)
主に2:就業前に確認した雇用条件とあまりにもかけ離れた条件である場合

2012春に専門学校を卒業し新卒で就職したSさん。
入学後2ヶ月で「始まる」就職活動。書類選考がほとんど通らない、学校へいかずに就職活動を続けるなどの紆余曲折を経て70社ほど受けてやっと内定を得る。1つ内定を得た時点で既に気力がなく、やけにスッパリと決まった仕事に不安を抱きながらも活動を止める。
入社後2ヶ月程の基礎研修があると伝えられていたが、入社したら研修なしでぶっつけ本番のプロジェクトに配属される。入社式(とも言えない程のものらしい)で最初に言われたのが『正直に言ってうちは厳しいです。鬱病になったりだとか、自殺者が出たりだとかもします。ですが、その中で乗り越えられればどこからでも引っ張りだこになれる優秀な人材となります。...』との言葉。以降は9時出社22時退社が続き、社内には≪社員終電時間メモ≫なるものが。
なんとか耐えたのも束の間、同期が1週目で2人辞める。また終電帰りの残業をしていたがその残業代が出ないことを知り退職を決意し3週目にして退職。
圧倒的な条件面の違いにより退職に至ったSさん。しかしその後就職した企業もパワーハラスメントの横行だったり、既卒者トライアル助成金助成金目当ての雇用であったらしく、9月末で退職。現在は「まともな」企業で働いている。
2社の早期離職をしてきたSさんが言うのは、『いい加減に「法的に正当な扱い」の中で働きたい』ということ。

Sさん(女性)
1:若者雇用関係の助成金目当ての企業であり、正規雇用をさせるつもりがない場合

2012年卒の女性。7月にハローワークの求人から医療事務の職に内定。しかし、採用時に雇用契約書を書かない、人間関係、給料が書面と違う、トップの人の指示が絶対などの風土に嫌気がさし8月に辞める。現在はアルバイトをしながら就職活動中。未だに給料は貰えておらず、争いは混迷を極める。
のちにこの企業は若年者トライアル制度をうまく使い、求職者を(助成金の期限が切れる)短期間で辞めさせては新たに人を雇用するという助成金目当ての企業だったことが判明。最近になりまた求人を出している模様。
 
この例は書いていて2とも3とも言えそうな例だと思いました。ただ、最初から助成金が目当てであり辞めさせるための扱いだったということを考えて1としました。

Hさん(男性)
3:就業後、業務に支障が生じる程の社内の雰囲気の悪さを感じ取った場合

九州の大学を2012年に卒業。人材紹介会社のサービスを利用して上京し、求人の紹介を受けるというスタイルで就職活動中。セミナー参加や何社もの面接を受け3ヶ月してやっと仕事にまでありついた企業。しかし、就業してから従業員間のコミュニケーションのなさに愕然。業務上必要な会話以外は昼休憩時も『おはようございます。』と『お疲れ様です。』のみ。我慢して1年続けるのか悩み、承諾返事の期限が迫っていたために辞退。現在も就職活動中。

その他の例

その他の例として内定ではないのですが、助成金目当てのインターンシップ採用例を紹介します。

2010年に大阪の大学を卒業して有料の既卒インターンシップに挑戦した男性(Kさん)。新聞広告からコーディネート機関を通じての応募で2010年の6月から社員3名の人材紹介会社で働くことに。
マンションの一室で社長と奥さん、営業担当と同じくインターンシップを行なっている既卒の女性と業務を行う。担当は電話対応と営業する会社のリスト出し。つまり仕事がない状況。少しして同じインターンの女性が辞め、また別の女性がインターンとして参加。仕事がない状況に疑問を抱きながら働いていたある日、営業担当の社員から『この会社はまったく利益を上げていない、君たちを受け入れているのは助成金が目当てだからだ』と教えられ、インターン最終日に辞める。
Kさんはこの後、2社目の既卒インターンシップに参加したが、勤務時間の長さにより正規雇用を断念。現在はアルバイトをしながら就職活動をするか迷い中。

終わりに

以上が、私が既卒者カフェを開催する中で実際に聞いた『内定後の早期退職リスク』の例です。
実は今回「既卒者と親の関係」をテーマにしようと思っていたのですが、あまりにも早期退職の例が重なったためこのテーマで執筆しました。私自身、主にハローワークを利用して就職活動をしているので戦々恐々としております...。
所謂、劣悪な条件で労働者を働かせるブラック企業として名高い企業以外にも、入ってからわかる企業の体質がある、また既卒者の現状の1つとして参考にしてください。

ではこういった事例にも負けず、(時には負けそうになりますが)、焦らずにやっていきましょう。

既卒者カフェ
WEB:http://kisotsusyacafe.jimdo.com/
山口宏之