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体験談・コラム

正解を出そうと思わないこと

正解を出そうと思わないこと

天職キャリアデザイン事務所 代表 山本 亮さん


今回、既卒Naviを運営されている松田さんよりありがたいお誘いがあり、こちらのサイトをご利用いただいてる皆さんに私の体験を踏まえて就活事情や第二新卒市場についてお話したいと思います。

私は就職情報会社に10年身を置いておりました。
最初の5年は企業の人事に対して新卒・中途採用するための媒体(就職サイトや合同企業説明会など)の営業や採用の仕組みや手法の提案をしており、残りの5年は大学のキャリアセンターに対してキャリア教育や就活テクニックを伝授するガイダンスや教材を営業していました。

ということで、企業・大学両方から得た情報と就職情報会社で学んだことを踏まえて皆さんにお伝えします。


■最近10年間の採用戦線の流れ
まず就職市場についてですが、簡単にこの10年間のトレンドから振り返ります。
2001年はITバブルの崩壊に伴う就職氷河期が始まり05年まで続きます。
この時期に首相だったのが小泉さんで行財政改革が実りだし景気が上向き、また団塊世代の大量退職を07年に迎えることに伴い06年〜08年の3年間は空前の採用バブル時代を迎えます。
我々もこの時代は儲かったので羽振りが良かったです。今は......、ですが。
そして08年の9月にリーマン・ショックが起こりその翌年の採用から今に至るまで採用人数も抑制される傾向にあります。
ここまでがざっとした10年間の採用戦線の流れです。


■ 模範解答を目指す学生たち
 前置きはこのくらいにして「正解を出そうと思わないこと」についてお話します。

 私が学生さんや第2新卒の方と接していて思ったこと。それはほぼ例外なく皆さん同じことを言ったり書いたりする、ということです。
 例えば面接の時「私は社会に影響を与える仕事がしたい」とか「自分を成長させていただける御社に魅力を感じました」とか就活対策本に掲載されているようなことをそのまま言ちゃうんですね。つまりそれが「模範解答」であり「正解」だからそういう風にするんでしょう。
 
 参考にするのは全く問題ないと思いますが、その会社特有のことと自分の言葉や考えを織り交ぜることによって「アレンジ」する作業が抜けてる方の多いこと。エントリーシートについても然りで対策本に「結論は前から書くこと」というとその通りにしたり、なかには冒頭の結論にラインマーカーを引いて強調する強者もいたりします。まぁ、これも「模範解答」であり「正解」だと言われるとついついやっちゃいますよね。

 目線を人事に移すと「また同じような奴が来たよ」ってなっちゃうんです。いつも来る学生と雰囲気が違うな、将来こいつ化けるんじゃないか!? という面白い人材になかなか巡り会えないのが実情です。
 つまり、学生さんや第2新卒の方が正解を出そうと頑張れば頑張るほど企業の人事からすると面白みを感じなくなってしまうという負のスパイラルが発生しているんです。


■企業は学生の何を見ているの?
「じゃぁどうすればいいんだよ」、「俺たちゃ困ってんだよ」という方にもう一つ企業目線でのお話をします。
 SPIや適性テストを実施して将来のハイパフォーマーを見つけ出して、それを面接で詳しく確認して内定・採用に至るんですが、人が人を評価する面接では最終的には「勘」が頼りなんですね。
 「ふざけるな!」とここまで読んで思った方も多いかもしれませんが、そんなもんなんですよ、採用なんて。要は「この人と一緒に働きたい」という人を採用するんです。だから思いを同じくする人が会社に入るので「社風」が出来上がるわけです。
 また「勘」を馬鹿にするかもしれませんが「勘」は磨かれてくものなんです。だから何人も面接していくと、どういう人がその会社にとって「いい人」かは段々「勘」が磨かれていくんです。会社によって求める人材、言い方が堅いので「その会社にとっていい人」は千差万別なので就活中の皆さんにも「その会社にとっていい人」となるチャンスはたくさんあると言えますね。


■会社選びにも「正解」はない
 会社選びも「正解」を求めて大企業とか公務員とか安定した企業を志向される方が多いですが、これも「正解」かどうかわかりません。

 具体例を挙げれば先の東日本大震災で原発事故が起こりましたが、絶対安泰と言われた東京電力は今後補償の問題でいろいろと経営リスクを抱えることになりました。社員の給料を25%カットしたりしています。昨年の就活生である今年の新入社員は「まさか」と思ったに違いないです。
 経営再建中の日本航空も高収入で人気企業でしたが(今でも人気はあると思いますが)、今では正社員でも500万そこそこの平均年収で、会社更生法を申請した時の社長は年収900万で電車通勤していたそうです。公務員も削減傾向にあり給与も段階的に引き下げられていきます。

 つまり何が「正解」かわからない混沌とした時代を我々は生きているということです。だから「正解を出そうと思わないこと」というのは面接やエントリーシートでも会社選びでも重要なことだと私は思います。


■自分軸の大切さ
 これから重要になってくるのは自分軸を持って社会と接することだと思います。「自分はこう思います。あなたはどう思いますか?」というやりとりからその時々の最適解がみつかり、それを繰り返していくともっといいものが見えてくると確信しています。そのスタートが就活なので皆さん大変かもしれません。

 しかし、社会に出ると自分で問題を見つけてそれをクリアにしていくことの連続です。そういう一つ一つの壁を越えていくと高みに登った将来の自分がそこにあるはずです。

 世の中で「正解」とされているものを自分軸というフィルターを通して見て、自分で「これだ!」というものを見つけたらとことんまでやってみてください。人生の最後に「今までの人生に悔いなし。これで良かったな。」と思えた時、初めてそれが「正解」と言えると私は確信しています。


天職キャリアデザイン事務所 代表 山本 亮