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体験談・コラム

体験談(3)首尾一貫して一貫性のないキャリア!?

体験談(3)首尾一貫して一貫性のないキャリア!?

■名前:堅田 航平さん

■現在の仕事:
インターネットを通じて生命保険を販売・引受を行うライフネット生命保険株式会社(http://www.lifenet-seimei.co.jp/)で、企画・IR・広報などを担当している

■生年月日/卒業年度: 1979年生まれ/2002年大学卒業(法学部)
■出身地:東京都
■趣味:トライアスロン(水泳・自転車・ランニング)

<大学卒業後、インドへ。投資銀行、投資ファンドを経てネット生保ベンチャーに転職>


■ケガの功名
中・高時代はバスケットボールに熱中しました(もちろんスラムダンクの影響で)。中学3年の終わりに足の靭帯を切るケガでスタメン落ちしてしまい、リハビリの間、半分ヤケになってはじめたのがファーストフード店でのアルバイト。年齢も興味も経験もまったく異なる先輩たちからの刺激と相まって、働くことを純粋に楽しいと感じた原点は間違いなくこの経験にあると思います。(今思い返せば、最先端の品質管理や教育システムを垣間見るよい経験にもなりました。)


■パスポート無しからの国際交流
大学では、海外インターンシップを運営する国際学生NPOアイセック(AIESEC: http://www.aiesec.jp/ )の活動に打ち込みました。大学入学までパスポートを持っていませんでしたが、この活動を通じて何度か海外に渡航するチャンスを得、また、来日している外国人学生とのルームシェアなどで交流を深めたことが、自然体で英語を身につけ、視野を広げる良いきっかけになりました。蛇足ですが、外国人とのルームシェアは1) お金をかけず(留学や語学スクールへの通学など不要、オマケに家賃まで節約)、2) 日々の生活の中で生きた英語を学ぶ方法として本当にオススメです。


■みんな「あとづけ」
大学では法律を学んでいたこともあり、同級生の多くは法律の専門職や公務員を選びましたが、自分は海外もしくは様々な国籍の人が集まるような会社の方が楽しそうというぼんやりとした理由から、総合商社と外資系企業を中心に就職活動をしようと思っていました。

ところが、幸いにも最初に面接が始まった投資銀行から内定を頂き、その時点で就職活動は打ち止めにしてしまいます。もともと楽観的な性格ということもありますが、未熟な学生である自分がどれだけ企業を訪問し調べてみたところで、収集できる情報は知れています。そうであれば、より充実した情報を持っている企業の側が、多くの学生の中から自分を選んでくれた、という選択を信じたほうが良いのではないか、と思ったのです。

ちなみに、就職したあと、後輩から「なんでその仕事を選んだのですか?」と聞かれるたびに、『人・アイデア・お金を結びつけて企業・事業の成長をサポートするという点に魅力を感じたから』なんて格好つけていましたが、何を隠そう、ぜんぶ「あとづけ」の理由です。実際、グローバル企業なので、様々な国籍の人が集まっているだろう...と思っていたら、部内は元銀行員だらけ、お客さまも日本企業がほとんどで、英語を使う機会はまれ...・と、学生の浅はかな想像力にはおのずから限界があることをあっさりと思い知らされました。

就職活動について一つ後悔していることは、学生という立場をうまく利用して、もっと色々な業種・業界を見ておけばよかったなぁ、ということです。自分自身、一番気合いを入れたエントリーシートで書類審査落ちしたり、短期インターンシップ中に徹夜して作成したプレゼンテーションを痛烈に批評されたり...と、楽しいことばかりではなかった記億がありますが、それでも、「なんでもみてやろう」の精神で、様々な企業・業種にアプローチしておくと、その経験が生きるときが必ずくるのではないかと思います。


■点と点をつなぐ
故Steve Jobs氏(元Apple CEO)の有名な言葉に"Connecting the dots"(「先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じよう。」)というものがあります。

自分にとっての大事な「点」は、学生時代のルームシェアの経験。そこで一緒に生活したインド人の親友から、帰国後にお兄さんと日本の研究者をターゲットにした英文校正サービスの会社を立ち上げるので手伝ってほしいと言われ、急遽インド(!)でベンチャー企業の立ち上げに加わることになりました。

当時の会社には創業者二人とその従兄弟、自分の4人。町工場の一角に机と電話を置いただけのオフィスで、ゼロからサービスの内容・価格を検討し、訝しがられながら一つ一つハードルを越えてお客さまを開拓していく中で感じた創業の「興奮」は、その後、自分を今の仕事(ネット生保ベンチャーの立ち上げ)に導く原体験となりました。

なお、一口に「点」と言っても大きさや濃さが色々あるように、それが自分で選んだ仕事であれ、与えられた仕事であれ、自分なりに工夫してその「点」を徹底的に掘りさげておくことが、振り返ったときに、思わぬ形で点と点がつながる可能性を高めるのではないかと思っています。


■丁稚奉公
インドでの事業がある程度軌道に乗ったころ、日本に戻って内定をもらった投資銀行に就職するか、そのままインドに残るか...という選択を迫られました。

悩んだ末、1) 一度はグローバル企業で働いてみたい、2) 会計・ファイナンスというビジネスの共通言語をしっかり身につけたい、という気持ちが少しだけ勝り、日本に帰ることを選びました。その後の「丁稚奉公(財務アドバイザー見習い)」では、クライアントや同僚にも恵まれ、スキルや知識だけでなく、一生涯の宝となるビジネスパーソンとしての基本姿勢を身につけることができたのではないかと思います。

学生時代の友人たちと再会して話をする度につくづく感じることですが、良くも悪くも、最初に働く会社の文化、または、最初の上司や同僚がその人の働き方や職場での学び方に与える影響は大きいと思います。そういう意味で、一度はベンチャー企業で、もう一度はグローバル企業で、二度の「就職」経験を積むことができた自分は、働き方や学び方を固定化しないという意味で、とてもラッキーだったのかもしれません。


■首尾一貫して一貫性のないキャリア
投資銀行での3年弱は、噂に違わず、睡眠不足と刺激に満ちた充実した(?)ものでしたが、もう一度海外で働いてみたいという思いがつのり、今度は投資ファンドで働くため、香港に引っ越します。その過程で、たまたま現在の上司である岩瀬(ライフネット生命保険(株) 代表取締役副社長)と出会ったことが、数年を経て、現職であるライフネット生命保険への転職につながるのですから不思議なものです。

親しい友人に言わせると、ベンチャー企業@インド → 財務アドバイザー@日本 → 投資ファンド@香港 → ベンチャー@日本という自分のキャリアは「首尾一貫して一貫性がない」のだそうですが、この表現、実はとても気に入っています。振り返ってみた時、この回り道があったからこそ、会社の窓口役として、経営者・社員・投資家・監督当局...という様々なステークホルダーの間に立って、それぞれの着眼点や暗黙の前提を意識しながら、対話を重ねることができたと実感しているからです。

また、半分は自己弁護ですが、「計画どおりのきれいな経歴書」には正直あまり面白みを感じないですし、これまで仕事を通じて出会った、突き抜けて魅力的な人たちの誰一人として、就職活動をしていた頃に計画したとおりにキャリアを歩んできたという話は聞きません。旅行にしても、出発前に分単位で全部予定が決まっている完璧に計画されたツアーよりも、寄り道したり、道に迷ったり、買い食いしたり、バスに乗り遅れたり...と偶然の出会いやハプニングを楽しむ旅の方が記億にのこるし、魅力的ではないかとも思います。


■「早く行きたいなら一人で行くといい 遠くへ行きたいならみんなで行くといい」
皆さんの周りもそうかもしれませんが、自分にも大企業で着実にステップアップしていく友人、海外への留学で専門性を高める後輩、そして起業家として会社を経営する先輩など、魅力的なキャリアを歩む知り合いがいます。そして、仕事がうまくいかない時など、正直、「自分も...れば」とタラレバで比べてしまうこともありました。一方、「人と比べてもしようがない。自分らしさを大事にしよう。」と考えてみても、肝心の「自分らしさ」について、納得できる答えが見つかる訳でもありません。

アフリカには「早く行きたいなら一人で行くといい 遠くへ行きたいならみんなで行くといい」という諺があるそうですが、仕事も、仲間や家族と助けあって歩く長い旅のようなものではないかと思います。一人ひとりの仕事の中身や果たす役割は、一緒に歩む仲間の構成によっていかようにも変わりうるし、それが「みんなで行く」楽しみの一つでもあります。

さらに言えば、運転が得意な人がドライバー、地図を読むのが得意な人がガイド役、そして料理が得意な人が炊事係...それはそれで効率的かもしれませんが、時には役割を交換してみたり、苦手と思い込んでいることにあえて挑戦してみたりしてもよいと思います。それが中期的には、新しい発想や、しなやかな強さを持ったチームづくりにもつながる可能性もあります。そのような視点に立てば、皆が「自分らしさ」を固定化して考える必要すら無いのかもしれません。

ライフネット生命には、アジアでもっともお客さまに評価される生命保険会社になるというビジョン(夢)があります。誰も通ったことの無い遠い道のりであり、そのため地図もありませんが、「どこよりも正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供する」という行動規範をコンパスにして、保険業界内外から集まった多様な個性を持つ仲間たちと助け合いながら、これからも一歩一歩着実に歩を進めていきたいと思います。

■おわりに
どう見ても「一般的」なキャリアではない自分の経験が、既卒ナビの読者の皆さんにどこまで役に立つかわかりませんが、何か考えるきっかけになればと思い、恥を忍んで、自分の歩んできた道のりやその時々で考えていたことを少しばかり共有させて頂きました。

なお、ライフネット生命では、多様な経験を積んだ方々といっしょに働きたいという思いから、定期採用の対象者を「30歳未満」とし、卒業後にボランティア活動や海外インターンなど、様々な社会経験を積んだ方の応募を歓迎(http://recruit.netseiho.com/ )していますので、ぜひご検討ください!